英会話を始めてまず悩むのが「聞き取れない」もしくは「話せない」ということではないでしょうか。
以前聞き流しCDの聞き方についての記事を書きました。
内容が一部被ってしまうところもあるかとは思いますが、この記事でもリスニング力を効果的にアップする正しいCDの聞き方、使い方についてお話しています。
しかし、今回は更にもう一歩踏み込んで「英語耳」を作るためのお話をしたいと思います。
ちなみにこちらがその聞き流しCDについて触れている記事です。
もしまだ読んでいないなという方は、ぜひチェックしてみてくださいね♪
目次
【リスニングの壁】こんな風に悩んでいませんか?

今回は2つのケースに分けて「リスニングの壁」について説明していきますね。
似ているケースで悩んでいる方の助けになれたら嬉しいです♪
【ケース1:英語初心者(なつ)の場合】
私がまだ英語学習を再開する前、日本の会社で働いていた時のことです。
入社当初に英語に携われる部署を希望していたこともあり、関連部署のヘルプで電話やメールの英語対応をした事がありました。
結果は、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが・・・
惨 敗

メールはまだ文字で確認できるので対処ができたのですが電話が本当に聞こえませんでした。
英会話を身に着けた後もしばらく電話は苦手でしたが、あの頃は本当に手も足も出ませんでした。
これは、初心者なら当然だろうと思われるかもしれません。
まぁ、皆が通る道ですね。。。
そして初心者だけの悩みではないのがリスニングの落とし穴なんです。
それはなぜかというと学習法によっては英検やTOEICで高得点を取れる人でも、リスニングが苦手という人は多いからです。
【ケース2:友人A(TOEIC700点)の場合】
こんなことがありました。
それは友人が海外旅行から戻り、久しぶりに電話していた時でした。



でも現地の人の言ってることが全然聞こえなかったの。。。
あんなに勉強してたのに。


自信なくしちゃった。。。

さてこの二つのケース、皆さんはどう思いますか?
ケース1の初心者なら英語を勉強して、聞き流しCD を聞きまくればいいと思いますか?
ケース2の場合はどうでしょう?
語学のセンスがないだけだと思いますか?
勉強は大事ですが、どちらにも共通して言えることがあります。
それは、どちらのケースも耳がまだ日本語をとらえる日本語耳のままなんです。
といっても、これまでずっと日本語の中で生活していたんだから自然なことですよね。
では、この日本語耳を英語に慣れさせるにはどうしたらいいんでしょうか。
英語と日本語はどう違う?

先程ご紹介した聞き流しCDの記事でも書きましたが、脳は聞きなれない英語を「雑音」として文字通り「聞き流し」てしまうんです。
これは日本語と英語のそれぞれの特性の違い、そして全く異なる音域にも関係はあるようです。
・日本語の音域125~1500ヘルツ
・英語の音域2000~12000ヘルツ

でも音域の違いなどの難しい話は、私もよくわかりません。(笑)
ただ、日本語は平たんな言葉といわれ、話すときに抑揚をつけないフラットな言語であることは確かです。
それとは正反対に英語は、イントネーション・リズムがある言語ですよね。
以前、留学先の講師に英語は音楽に似ていると言われたことがあります。

これは、いまだに好きな言葉なんです。
そして英語に自然に耳を傾けてみようとも思えた言葉です。
では、なぜ英語をしっかり勉強しているであろうAちゃんの耳が日本語耳のままなんでしょうか?
リスニングが苦手な人の3つの理由と4つの対処法

Aちゃんのように「TOEICや英語のテストのリスニングなら聞こえるけど、ネイティブが相手になると全く歯が立たない」という人は珍しくありません。
学習用のリスニング教材には、人それぞれのアクセントの癖やスラング、イディオムなどがなく、聞きやすいクリアな音声であることが多いからです。
つまり学習用の英語に過ぎないのです。
初心者も上級者もネイティブと対等に会話したいと思うのなら、生の英語に触れなければいけません。
ですが、その前に英語耳の下地を作りましょう♪
具体的に英語耳となるための方法について説明していきますよ~!
単語やフレーズを知らない
初心者にありがちだと思われるかもしれませんが、上級者にも当てはまります。
日本語でも「新しく知った言葉をその日から突然耳にすることが増えた」という経験はありませんか?
認識することで音を拾うというのも私たちの脳の仕組みの一つです。
ボキャブラリーを増やしたり、定番のフレーズなどを多く覚えることによってリスニング力強化につながります。
普段の生活で何気なくボキャブラリーを増やすというのは、なかなか難しいと思います。
なので、普段から英語で考えることを癖付けしてみましょう。
「今、自分が考えたことを英語に置き換えるとどうなるだろう?」と興味を持ったり、知らない単語は調べてすぐ使ってみましょう。
そうすることで、ただ暗記するのではなく自分の言葉としてボキャブラリーを増やしていけると思います。
英語の音の特徴に慣れていない
アクセントやイントネーションをしっかりつけて、リズミカルに話すのが英語の特徴です。
そして日本語にない音もあります。
それに加えて、私たちを一番悩ませるのが、前置詞や冠詞などの「発音しないもしくは、ほとんど聞こえない音」、そして「単語同士を繋げてしまう音」があることじゃないでしょうか。

「チェケラ」が「Check it out」だったりね。

これを「リエゾン」といいます。
「リエゾン」は英語で「リンキング=Linking」と呼ばれています。
文章中で特定の単語の末尾の音と、直後の単語の先頭の音が連結して違う発音になる現象です。
リンキングのパターンとしては、大まかに2つのパターンがあります。
・子音と母音が繋がって変化するパターン
例)need it :「ニーディッド」/níːdɪt/=子音「d」+母音「i」
・子音と子音が繋がって変化するパターン
例)want you:「ウァンチュー」/wάntjʊ/=子音「t」+子音「y」
自分が英語を話す際には、特にリンキングをする必要はありません。
まずは、知識としてどんなリンキングがあるか沢山の英語を聞きましょう。
そうして慣れてきたら、少しずつ自分でも試してみればいいんです。
こういったものがあるように、自然な会話になればなるほどネイティブはスクリプト通りには話していないのです。
例えば「I’ve seen you]という言葉ですが、「’ve」が聞こえないことがほとんどです。
これは、「‘ve」という音の表現がかすかに「ヴ」と口が動きかけている気配を感じるか、少し息が止まっているような瞬間がある程度だからです。
なので「I seen you」と聞こえてもそのような文法は存在しないので、頭の中で「I’ve seen you」だなと補完しているんですね。

その他にも話すときには「I wanna」=「アイ ワナ」というけど文章に書くときには「I want to」と書くようものがあったりします。
「リエゾン」以外にもこんな風に日本語と同じように英語にも若者言葉や簡略化があります
日本語にも同じようなことが起きますよね。
「ありがとうございます」が「あざーっす」になったり、口語ならではの変化だと思います。
なので、100%聞き取って理解するのではなく「聞こえた音+聞こえない部分の推測=理解」していくということが大切です。
日本語にない音やリエゾンなども含め「発音できない音は聞き取れない」という脳の仕組みがあります。
・音声を聞いた後に一定の長さで毎回一時停止し、発声などを真似するリピーティング
・流した音声と重ねて話すオーバーラッピング
・流した音声を止めずにすぐ後に真似して話すシャドーイング
難易度はリピーティング<オーバーラッピング<シャドーイングと上がっていきます。
最初はリピーティングから始めて慣れていきましょう。
まずは英文を見ながら、何をどんなふうに言っているかも確認することでリエゾンなどもわかってきます。
これを繰り返すことで効果的に脳に英語を染み込ませることができます。
先程お伝えしたように、英語には日本語にない音がたくさんあります。
皆さんはフォニックス(Phonics)をご存知ですか?
こちらの記事は、フォニックスという正しい英語の発音が身に着けられる学習法を紹介しています。
スピードが速すぎてついていけない
聞こえてきた英文を日本語に訳しているうちに次の話に移ってしまうということはありませんか?
この対処法は、ずばり‼
英語を英語で理解することです。
これは一つ目の対処法のボキャブラリーを増やす際にも、英英辞書を使って覚えたり英単語や文法を日本語ではなく、イメージで覚えるようにすることです。
英語が英語のままイメージできるとき
・使われている単語や文章構造が今の自分のレベルにとって簡単
・内容が自分にとって身近
英語を英語のまま理解できない
・使われている文章構造が今の自分のレベルにとって難しい
・内容が自分にとって身近ではない
まずは、簡単なレベルで英語のまま理解する癖をつけましょう。
日本語に訳すことなくそのままイメージ・理解できる英語を沢山インプットすることでネイティブとの会話も楽に楽しめるようになります。
そうはいっても「英語をイメージで覚えるにはどうしたらいいんだろう」と思いますよね。
こちらの記事では、文法のイメージの仕方についてご紹介しています。
英語で英語を考える際のヒントになると思いますので、ぜひ読んでみて下さい。
ディクテーションに挑戦してみよう
皆さんは、「ディクテーション」という学習法をご存知ですが?
「ディクテーション」とは、読み上げられる外国語を書き取ること、またはその書き取りテストのことをいいます。
この方法は何が聞き取れていないかをはっきりさせることで、リスニング力のアップを目指す訓練の一つです。
この学習法と他の学習法を合わせて取り組むことでボキャブラリーも増えていき将来的にはいい結果につながるかと思います。
①英文をピックアップして数回聞く
②聞こえてきた音を紙に書きとる
最初の頃は空白だらけの文章になるかもしれません。
でも辛抱強く何度もやってみましょう
英語で書けない場合は、聞こえた音をカタカナで書いても大丈夫です。
③これ以上は聞き取れないと思ったところで、自分が書き取ったものとスクリプトを比べ、答え合わせ
④間違ったところを、一緒に発音してみる
⑤数日後に、もう一度同じ英文のディクテーションを行う
⑥間違えた部分から自分の弱点を見つけ出し(発音聞き取りの問題か、その単語を知らなかったか)補強する学習を普段からする。
この⑥の作業がとても大切です。
自分の弱点を見つけて、リスニング力だけでなく英語力全体を上げていきましょう♪
最初は、優しめの教材やディズニーなどの子供向けの映画などで取り組んでみましょう。
そこからだんだんとステップアップしていくことが、無理なく継続していくコツだと思います。
さて、ここでお気づきの方もいるかもしれません。
「ディクテーション」は、一言一句確実に聞き取ろうとする訓練です。
私のこれまでの話に矛盾してきますよね。
英語には、前置詞や冠詞などの弱く発音される音やリエゾンなどの単語と単語が繋がった音があるとお伝えしました。
これらは、ネイティブも100%聞き取っているわけではない音です。
これは無理に聞き取ろうとするのではなく、前後の文章や文法の知識によって補完しましょう。
ところで、一口に教材といっても様々あり迷ってしまいますよね。
こちらの記事では、教材ではないのですが「Voice Tube」というアプリについてご紹介しています。
教材を買う前に、こういったアプリで挑戦してみるのも良いと思います。
まとめ
今回は、英語耳になるためのリスニング力アップの学習法をご紹介してきました。
私達の日本語も話す人の個性によって早口や声が小さい、方言が混じるなど様々ですよね。
私達が各地域の方言を聞いて理解できるのも、そういう言い回しをする地域があると知っているからです。
そして、たとえ聞き取れなかったとしても自分の日本語力が低いとは思いませんよね。
英語も一緒です。
英語は特に様々な国で母国語として、そして様々な人が第二言語、第三言語として話している言語です。
国、人それぞれのアクセントや個性があります。
100%聞き取れなくても 英語力が低いと落ち込まないでください。
一言一句間違いなく聞き取ろうとせず、英語の癖を知りましょう。
そして沢山経験をつむんです。
- ボキャブラリーを増やし、文法を理解しましょう。
- 普段使うフレーズや会話のパターンを知りましょう。
- リピーティング、シャドーイングで英語を自分に染み込ませましょう。
- ディクテーションも活用しながら、英語で英語を覚えましょう。
これを繰り返していくうちに、だんだんとリスニング力はアップしていくはずです。
英語の癖を理解しながら、楽しんで英語耳を作っていきましょう。
リスニング力が上がってきたら、次はスピーキングですよね♪
こちらの記事では、初心者でも安心して話せる英会話カフェやサークルについてご紹介しています。
英会話は実践がとても大切です。
是非、外に飛び出してみましょう♪
最後まで読んで頂きありがとうございました。