読者様は、何かの語学検定を受けたことはありますか?
語学の勉強をしている方なら、自分の実力を測るため、仕事や転職活動などで強みとしてアピールするためといった目的で検定試験を活用しているという方も多いと思います。
今回は、そんな検定試験のお話です。
興味はあるけどまだ受けたことが無いという方、最近は遠ざかっていたけどまた挑戦しようかなという方など、読者様のお役に立てれば幸いです!
英語学習者の検定試験その1~英検~
ではまず、英語学習者の検定試験ということで、お馴染みの英検についてです。
そもそも英検とは
英検というのは、公益財団法人日本英語検定協会が実施している検定試験です。
皆さんご存知のように5級から1級までの7段階の級が設定されていて、それぞれのレベルの目安は以下のようになっています。
5級 | 中学初級程度 | 英語を習い始めた方の最初の目標。 家族のこと、趣味やスポーツなど身近な話題が出題されます。 英語の基礎固めに最適です。 スピーキングテストも受験可能です。 |
4級 | 中学中級程度 | 出題形式や内容が、より実用的に。 身近なトピックを題材とした読解問題が加わります。 基礎力をぐんぐん伸ばしていきましょう。 スピーキングテストも受験可能です。 |
3級 | 中学卒業程度 | 二次試験でスピーキングテスト。英語で考えを伝えましょう。 筆記試験の題材は、海外の文化など少し視野が広がります。 中学卒業段階の英語力の達成目標:3級(文部科学省) |
準2級 | 高校中級程度 | 教育や科学などを題材とした、長文の穴埋め問題が加わります。 センター試験の問題形式と共通点が多く、入試対策にも最適。 高校卒業段階の英語力の達成目標:準2級~2級(文部科学省) |
2級 | 高校卒業程度 | 医療やテクノロジーなど社会性のある英文読解も出題されます。 海外留学、国内での入試優遇・単位認定など、コミュニケーション力が高く評価されます。 ビジネスシーンでも採用試験の履歴書などで英語力をアピールできます。 ライティングが加わります。 |
準1級 | 大学中級程度 | エッセイ形式の実践的な英作文の問題が出題されます。 「実際に使える英語力」の証明として高く評価されています。 |
1級 | 大学上級程度 | 二次試験では2分間のスピーチと、その内容への質問がなされます。 カギは英語の知識のみでなく、相手に伝える発信力と対応力。 世界で活躍できる人材の英語力を証明します。 |
全ての級の受験の出題形式に筆記とリスニングが採用されていて、それに加えて5級・4級では録音形式のスピーキングテストが、3級以上では面接試験があります。
また、審査基準もきっちり各級ごとに設けられているので、気になる方はこちらからぜひチェックしてみてください。
英検のメリットとは
そんな誰もが知っている英検ですが、自分の実力を試すこと以外にどんな「実用的なメリット」があるのかご存知でしょうか?
実は、英検のHPにはこんなものが紹介されています。
- 幅広い年齢層が受験
- 文部科学省後援
- スピーキング測定
- 入試優遇・単位認定
- 英検で海外留学
- 身近な目標設定でステップアップ!
- 日常会話からビジネス活用まで!
- 問題を持ち帰り、詳細な成績表で復習ができる!
- 入試、センター試験に対応する英語力が身につく!
- 通訳ガイド試験に役立つ!
オレンジで強調したこの2つの点について、もう少しご説明しますね♪
英検で海外留学って?
・・・と思った読者様も多いかもしれません。
が、しかし!
実は、英検は日本国内だけで認められているものではないんです。
今現在、北米を含む約400もの大学・カレッジが、留学時の語学力証明として英検を認定しています。
ちなみに、オーストラリアでは5州の州立高校全校にも認定されています。
こうしたことに伴って、英検協会は「英語力への自信」、「グローバルな視点」、「自分の可能性を切り開く意欲」という3つのコンセプトを基に「英検留学」というものを促進しているんです。
実際、アメリカとオーストラリアの留学に関する情報は、HP上でかなり詳細に展開されています!
留学の手引きや体験者の声、さらには留学に役立つ公的機関の紹介など、役立ちそうな情報満載なので、気になる方はこちらから要チェックです♪
英検でビジネス活用って?
と思う方が多いのではないでしょうか。
先ほどの表のように、学校教育に合わせたレベルの目安が示されていたりするのでそのイメージも当然だと思います。
が、しかし!(※2回目)
英検の問題というのは、きっちり質にこだわって作られているんです。
- 4技能(読む・聞く・話す・書く)のバランス重視
- 社会で求められる実用英語を出題
- 身の回りの日常会話から教養を深める社会的題材まで
このように、実際に英語を使用する場面を想定して厳選された問題ばかりなので、英検を通して学習を重ねることで、日常会話だけでなくビジネスシーンでも対応できるコミュニケーション力までしっかりカバーすることができます。
英語学習者の検定試験その2~TOEIC~
では次に、英検と並んで代表的なTOEICについても見ていきましょう♪
そもそもTOEICとは
TOEIC(トーイック)という略称は皆さんよくご存知ですが、じゃあこれが何の略なのかというところまで意識している人は少ないのではないかと思います。
TOEICとは、ズバリ!
Test of English for International Communication
の略称です!
そしてこの試験は、英語コミュニケーション能力を公平公正に評価する世界共通の基準なのです。
そんな世界共通の基準、TOEICには以下のような特長があります。
- 合否ではなく、スコアで評価
- グローバルスタンダードとして世界約160カ国で実施
- 実際のコミュニケーション能力を評価
特定の文化を知らないと理解できない表現が排除されているので、誰もが公平に受けることができる「グローバルスタンダード」として活用されているんですよね。
TOEICのテストは一種類ではない?
実は、TOEICのテストには以下の図のように複数の種類があります。
私たちが普段TOEICと呼んで指している990点満点の試験は、一番左のTOEIC TestsのListening & Reading Testですね。
実はTOEICには、聞く・読む力を測るListening & Reading Testだけでなく、話す・書く力を測るSpeaking & Writing Testsもちゃんと用意されているんです。
それにより、4技能(聞く・読む・話す・書く)全ての英語コミュニケーション能力を測定することができるようになっています。
ここでは、TOEIC Testsの方についてもう少し詳しく見てみましょう。
TOEIC Testsの種類
そのSpeaking & Writing Testsも含めて、詳細はこのようになっています。
TOEIC® Listening & Reading Test | TOEIC® Speaking & Writing Tests | TOEIC® Speaking Test |
英語によるコミュニケーション能力を幅広く測るテスト |
効果的に英語でコミュニケーションするために必要な、話す・書く能力を直接測るテスト 例えば、以下のような目的でご活用いただけます。 ・国際的なビジネスコミュニケーション場面での、英語による発信能力の向上を図りたい。 ・TOEIC L&Rを活用しながら、4技能(聞く・読む・話す・書く)をバランスよく伸ばしていきたい。 |
効果的に英語でコミュニケーションするために必要な、話す能力を直接測るテスト 例えば、以下のような目的でご活用いただけます。 ・英語のネイティブスピーカーや英語に堪能なノンネイティブスピーカーに理解しやすい言葉で話したい。 ・日常生活において、また仕事上必要なやりとりをするために適切に言葉を使いたい。 |
リスニング約45分間とリーディング75分間のテスト | スピーキング約20分間とライティング約60分間のテスト ※IPテストの場合、TOEIC Speakingのみ、TOEIC Writingのみの実施も可能 |
スピーキング約20分間のテスト |
そして、上記の表を細かく見ていただくとわかるように、各項目内に「ビジネス」あるいは「仕事」というワードがしっかり入っています。
TOEICでキャリアアップ
このように、TOEICは進路や仕事に役立つものだということは言わずもがなですよね。
例えば、TOEIC L&Rのスコアを「昇進・昇格の要件としている」または「将来要件にしたいと考えている」という企業の比率は、約4割にも上ります。
他にも、TOEIC L&Rのスコアを配属先決定の参考にしている企業は約6割、スコアに応じて報奨金や資格手当てを支給している企業は約3割。
さらに、海外出張や海外駐在に重要なスピーキング力を証明するために、TOEIC S&Wのスコアも充分大きなアピール材料になり得ます!
ちなみに、TOEICと海外駐在についてはこのような記事も書いているので、こちらもぜひ併せてチェックしてみてくださいね!
英語以外の語学検定一覧
フランス語
実用フランス語技能検定、略して仏検というものがあります。
英検のフランス語版ですね♪
社会生活、日常生活に則した試験内容なので、試験を通じてフランスでの滞在や留学に役立つ知識を得ることができるようになっています。
また、芸術や食といった本場の生活文化に親しむツールとしても人気があるようです。
ドイツ語
ドイツ語技能検定試験、もちろん略して独検です(笑)
ドイツ語は、英語に続く第2外国語として人気が高いようですね。
独検の学習を通じて、ドイツの文化や政治・経済など幅広い知識を得ることができるのも魅力です!
中国語
こちらも他の検定と同じように略して、中検と呼ばれている、中国語検定試験です。
なんと年間3万人以上もの人が受験している人気の検定なんです。
中国語の能力を示す資格として、ビジネスなど世界で広く通用しています。
スペイン語
スペイン語技能検定というものがあります。
スペイン語は、世界三大言語の一つと言われることもあるほど多くの地域で使われている言葉です。
貿易などでも使用されることから、社会的にも需要は高いと言えそうです。
イタリア語
イタリア語は、実用イタリア語検定です。
そしてなんとこのイタリア語検定、2019年秋季の第49回検定が外務省の後援事業として認定されたという、とてもホットな検定です!
料理や絵画、ファッション、建築などのイタリア文化が好きな方にオススメです。
韓国語
韓国語には韓国語能力試験というものがあります。
こちらは韓国政府が認定している検定で、世界70カ国以上で実施されています。
そして2016年度からは、この韓国語能力試験 6 級合格者は、通訳案内士(日本政府観光局)の韓国語科目試験が免除になったということです!
検定マニアになってはいけない!?
英検、TOEIC、そして英語以外の外国語の検定試験を色々とご紹介してきました。
こうして一覧のようにしてみると、英語以外にも色んな外国語を話せることへの憧れみたいなものが沸き上がってきませんか?(笑)
実際、趣味で様々な外国語の検定試験の初級ばかり受験して、資格を取っていく人もいるようです。
それが趣味ではなく、仕事などで必要に迫られて資格を取るのであれば話は別です。
が、もし完全に趣味の範囲内で検定マニアになってしまうと、語学の勉強が好きで、色んな言葉を少しでも話したいという憧れで、楽しんでやっていたはずのことが、気づけばいつの間にか自分を苦しめていた・・・という結果を招く可能性があります。
特に、自分で決めて定期的に試験を受けていたり、あるいは初級にとどまらず段階的に上のレベルを目指していたりするとなおさらです。
趣味を楽しんでいたはずが、「何でこんなに勉強したのに結果が出ないんだ・・・!?」という受験生状態になってしまったりするんです。
そして楽しくなくなった結果、勉強をやめてしまうのはとてももったいないと思います。
本来、語学検定というのは、自分の能力を他人に示すための指標のようなものですよね。
ですから自分の趣味で続けていくには限界があって当然です。
たとえ語学検定マニアになるにしても、無理のない範囲で続けられるように気をつけましょう!
それでは、今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。